1983年(昭和58年) 3月28日 (月曜日)
桜が咲きはじめた。春、真っ最中である。卒業式、謝恩会、卒業コンパ、入社式、新入社員歓迎パーティー……フレッシュマンがやって来る。グループ企業23社中「太陽」「昭空」だけでも140名のリクルートだ。三語族(ウッソー、ホントォー、カワイー)を連発する若い女の子、漢字族(誤字、脱字、アテ字だらけの若者)といわれる昭和36-40年ごろ生まれた新入社員を大量に迎える。昭和一ケタ族から見れば何もかもが、ゼネレーション・ギャップ(世代格差)である。
家庭で一番抜けているあいさつが”いただきます””ごちそうさま”だとテレビで報じていた。新入社員に聞いてみると、”お早うございます”と朝の挨拶を家族間で交わすのは10人に1人である。会社はそうはいかない。同僚、上司、そしてお客様と何度も何度も頭を下げる。是非一日も早く会釈とあいさつが楽しい習慣になってほしいものである。「あいさつは職場の潤滑油」だからである。
情報化時代である。新入社員にスポーツ紙を片手に出勤するより、経済紙か一般紙の経済欄を読むことをすすめる。入社早々にマイコン、ワープロなどのOA(事務の自動化)機器を使い、ロボット、CAD(コンピューターによる自動設計)などのFA(工場生産の自動化)と取り組むことになる。環境は激変しているのである。
その中で我々は、今日的なカタログレベルの表面的な底の浅いコミュニケーションの応答だけではすまされまい。コンピューターレベルのプログラム、データ処理に負けない判断能力を磨いているだろうか。またロボットレベルの記憶再生の単純繰り返し作業に追い抜かれてしまってさえいないだろうか。反省させられるところである。これからのビジネスマンには、深い意思疎通、電算機に出来ない総合的判断、ロボットが追従できない創造力を装備して、OA、FA時代の機械に負けない比較優位の時代を築いてゆかなければならない。
(慎三)
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