毎日新聞 1981年(昭和56年)12月21日(月曜日)
常に10年先を…商品も人材も
2009年 の 年末 中ノ島のイルミネーションにて |
部分品と機械、個人と全体(個人の権利と公共の福祉)、事業所と全社、個別と総覧、ミクロとマクロ(微視と巨視)「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」「馬を走らせて桜を見よ、馬を降りて桜を見よ」の言葉の通り、常に部分の積み重ねと全体把握の重要性を感じた。
時間と部門の集約が年計であり、全社方針の分析と分担が個別の目標値となってくる。世界経済と日本、業界とわが社の位置づけ、まさに不透明な未来である。この時こそ「十年後のわが社の展望」を予見してみる必要がある。
「十年後の商品」はどうすればよいか。新製品開発は市場関連と技術関連のマトリックスの中で生み出されるわけだが、わが社では不確定な商品計画は仮にX商品、Y商品、Z商品と名づけ「新製品とはマイナーチェンジの繰り返しである」と考えて、開発に果敢に挑戦している。
「十年後の人材」を考えてみると「特長なき企業はつぶれ、特長なき部門は解体され、特長なき人間はいらなくなる」と言われるように、特長ある人材の育成に注力したい。真に問題解決力のある人、リーダーシップのある人が望まれる。
今こそ十年先を見通し「着眼大局、着手小局」の経営戦略の必要な時ではなかろうか。
(慎三)