毎日新聞 1981年(昭和56年)11月30日(月曜日)
心の若さ…青春よ、永遠に
師走。一年の総決算。先生もビジネスマンも東奔西走である。最近、名門K高校でさえアルバイト問題を起こした。三ト主義(アルバイト、プレゼント、リベート)と言われるように、先生の倫理観、聖職意識、生徒との連帯などモラルの低下を感じる。
青春の跛(は)行性として、未熟、不安定、高慢、単純、向こう見ず、直裁?、情熱、感受性、打算、裏切り、不正への怒り、挫折などがあげられる。しかし、ここに共話、共感による心の通い、心の若さがあれば、問題の発生は防げたのではあるまいか。
JEC(ジュニア・エグゼクティブ・コミッティー=大阪府経営合理化協会青年経営研究会)が創設されて、この十二月で二十年になる。ジュニア(青年、二世)の言葉にひかれて一三八名のメンバーが集まっている。「グローバルな独創性と、変化に対応する知性を高め 思いやりの心をもって 行動しよう」を記念スローガンとして、二十代から五十代の幅広い年齢層の経営者の切磋琢磨(せっさたくま)による研究会である。青年と熟年、その相互啓発が心気を躍らせるのである。
松下幸之助氏の座右の銘に
青春とは心の若さである
信念と希望にあふれ
勇気にみちて日に新たな
活動をつづけるかぎり
青春は永遠にその人のものである
という一節がある。生活年齢、肉体年齢に無関係に、気の持ちようで心の若さを保ち続けたいという願望と、常に若くあらねばならぬという自戒の言葉と受けとめることができる。
常に積極的な前進姿勢のもと緊張感が若さを保ち、バイタリティを生みだすものである。また常にフレッシュな気持ち(初心忘るべからず)をもちつづけることが、経営にあっても、教育の場にあっても大切な事である。
(慎三)
0 件のコメント:
コメントを投稿