1983年(昭和58年) 6月28日 (火曜日)
梅雨明けも間近い。ギラギラした太陽の下、ビールや清涼飲料水が、急上昇に売り上げを伸ばしている。ビール四社で八三種類の容器がある。ビールもTPO(時・場所・状況)で好みのサイズやタイプで飲み分ける時代だ。
生の樽(たる)型容器、びん、缶、PET(ポリエチレン・テレフタレート樹脂)容器と材質のいかんを問わず、販促のためのファッション化、多様化が進行している。”飲みごろ”の文字が出て来る「冷やしだし」の生ビール。世界最小の「ひとくち」びん生、とっ手付き生樽容器と新製品の続出である。
日本酒は昔から一升びんと決まっており、全国三、三〇〇の醸造家がラベルだけで銘柄を表していた。しかし最近は日本酒もワイン型、ウィスキー型のびんから、陶器、缶、PET、紙と、伝統的容器は減少一途である。それにしょうちゅう、しょうゆ、酢、ぶどう酒、、清涼飲料水、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ソース、食用油などがそれぞれ思い思いのワンウェー容器(使い捨て)を使用している。
その中でも年間一二五億個も消費され、焼けも腐りもしないスチール缶、アルミ缶は「あき缶公害」の元凶といわれ、自然破壊、環境汚染をもたらしている。
あき缶をペコンとつぶすプレスとして「カンペコプレス」を開発してすでに十六年になる。資源の有限性、リサイクリング(再利用)をかかげ、全国の観光地などですでに二千数百台が活躍している。
リサイクルは環境汚染の防止、省資源、自治体のゴミ減量、地域経済社会の確立と、世界的にみても天然資源の発掘以上に大きな意義がある。
「容器、包装は沈黙のセールスマン」であるが、”十二単衣(ひとえ)”と言われるような過剰包装やワンウェー容器の投げ捨ては社会問題化している。単にマナーにたよるだけでなく、いかにしてリサイクルという"自然の摂理"を経済システムの中に組み込んでゆくかが今後の課題といえる。
(慎三)
カンペコプレス 発売元 エヌ・イー・ディー・マシナリー株式会社
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