2011年8月23日火曜日

常に熱意を…心構えが人間を作る

1982年(昭和57年)5月24日(月曜日)

常に熱意を…心構えが人間を作る

景気の、長期低迷の中にあって、わが社では全員セールスマン運動として「ガッツキャンペーン」を実施中である。「ガッツ」とは元来腸線のことで、元気、気力、耐久力の意である。本で読んだ知識、経験を通して体得した見識、腹にすえて会得した胆識(筆者の造語だが)があると言われる。真にガッツのある胆識をつけるためにも、このキャンペーンを成功させたい。

工業化社会にあって、国、企業により大変な生産性の差がついている。大量生産、大量販売による同質的社会から多様化社会、個性化社会へと大きく移っている。アルビン・トフラー博士はこれを「第三の波」と言っている。ここに新しい価値観、世界観、社会制度が生まれて来るのではなかろうか。

技術は一般に人々の生活にかかわり合いのない非人間的なものと思われている。しかし戦争の残した技術といわれる原子力、エレクトロニクス、高分子化学はわれわれの暮らしを見違えるほど変えて行った。そして工業製品の陳腐化速度は急速にスピードを上げている。昨日の新製品は今日スクラップ化の運命をたどらないと断言できなくなってきた。

複合材料、バイオテクノロジー、新機能素子と異領域の先端技術の相互乗り入れの必要性を痛感する。創造性は異質性の中から生まれるものである。生産性とは、この創造性を高めることである。ヒンズー教の教典に

「自分が変われば相手も変わる。
心が変われば態度が変わる。
態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
運命が変われば人生が変わる。」
とある。

環境が人を作るのではなく心構えが人間を作る。

日本人を「仕事中毒」視する向きもあるが、常に目標に向かって持続された熱意をもって思念(反復して思い入れる)することが習慣としてのクリエイティブシンキング(創造的思考)と言えるのである。

(慎三)

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